2013.10.8~10 第3回児童労働世界会議(ブラジル)に出席しました

2013年10月8日~10日に、ブラジルのブラジリアにて第3回児童労働世界会議が開催され、CL-Net事務局長・岩附由香が出席しました。

今回の児童労働世界会議(以下ブラジル会議)の目的は、以下3点です。
・182号条約以降の前進を報告する
・各国、地域での取り組みの経験共有
・障害をつきとめ、児童労働の撤廃を加速化するための方法を提案する

今回の会議は国際労働機関(ILO)が協力の下、ブラジル政府が主催し、各国政府に「政府、労働組合、使用者組織、市民社会組織の代表4名の派遣」の依頼があり、それを受けて、日本の市民社会組織代表として児童労働ネットワーク事務局から、岩附由香が会議に参加しました。今回の参加のミッションは、①他国のNGO等とのネットワーキング②児童労働の国際的な取り組み状況についての情報収集③ひとはたあげよう!の取り組みをガイ・ライダー事務局長に報告し、最終成果物を渡すこと です。

会議にはこれまでで最大の1306人・153カ国の政府や労働組織、NGOなどの代表者が参加し(前回ハーグ会議は80カ国、380人が参加)、うち政府セクターが外務省135労働/社会省37 開発途上国41、労働者組織が112、使用者組織が63、市民社会組織(NGO)が国際NGO15、ローカルNGO49、国際機関が11組織となりました。最終日にこの会議の成果文書として採択されたブラジリア宣言に関しては、こちらを参照ください。
ブラジリア宣言(日本語全文)-ACE訳.pdf


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ブラジルのジルマ・ルセフ大統領のスピーチ

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分科会「サプライチェーンの児童労働」

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NGO有志がブラジリア宣言についてのインプットを検討しているところ

ブラジル会議ではILO事務局長のガイ・ライダーさんに、日本で行った「ストップ!児童労働キャンペーン」の一環である「ひとはたあげよう!」について説明し、キャンペーンに協力してくださった皆様の写真が詰まったディック・ブルーナさんのイラストをモザイクアートで仕上げた最終成果物であるポスターと一緒に写真を撮り、それを渡すことができました。日本でも、たくさんの人たちが児童労働のない社会を目指していることを伝えられたと思います。

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ガイ・ライダー氏とキャンペーン成果物を持って一枚

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「ひとはたあげよう!」の取り組みを説明しています。


また、各国のNGO、国際機関、労働組合、政府機関、使用者組織、企業等との交流し、さらに今回のひとはたあげよう!の企画に協力してくれたStop Child Labour Campaignの担当者に偶然にも会うことができて、ひとはたの成果物を渡すことができました。

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ケニア・ナイジェリアの代表とひとはたあげました。

しかし、会議の中で全体に、日本の児童労働ネットワークとしての活動紹介をする機会がえられず、またNGOが集まる正式な会合がなかったため、CL-Netの活動を知らせることができたのは直接お話する機会を得た限られた人になってしまいました。

今後は、ブラジル会議で得た経験や情報をいかし、今後のフォローアップとして外務省主催のマルチステークホルダーの意見交換会の開催に向けた働きかけを行い、会議結果を共有し、日本における取り組みを加速化させたいと思います。また2015年以降の開発アジェンダへ反映させるべく、市民社会から声をあげていきたいと思います。さらに、2017年のアルゼンチン世界会議に向けて、事前会合の開催等に注目し、グローバルマーチと連携してアドボカシー活動を行っていきたいと考えています。

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若者からインタビューをうけています


(報告:CL-Net事務局長/ACE代表 岩附由香)