2014.11.28 学習会を開催しました

2014年11月28日(金)の15時00分から16時15分まで、同日16時30分から行われた会員総会の前に、連合会館3階A会議室(東京都千代田区)にて「児童労働ネットワーク2014年度学習会」を開催しました。今回のテーマは「子どもの家事労働」です。CL-Net会員やキャンペーン賛同団体、児童労働を学びたいという学生を中心とする20名が参加しました。

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子どもの家事労働の現状 CL-Net代表 堀内光子
まず始めにCL-Net代表・堀内より、児童労働としての家事労働者の実態や特徴、現状を報告しました。
世界では1千万人を超える子ども、主に少女や幼い子どもが家事労働者として働かされています。その大半が、義務教育年齢の子どもや法定就業年齢より若い子どもが、低賃金で長時間の労働を強いられています。中には身体的・言葉による虐待や暴力を受けることがあるにも関わらず、家庭の中で行われているため、このような現状はなかなか明らかになりません。奴隷のように働かされたり健康や安全、道徳を害されたり、人身売買の対象にもなることから、ILO182号条約の「最悪の形態の児童労働」に当てはまるケースもあります。子どもの家事労働を可視化し、そのような現状をなくすために労働条件や待遇の改善が必要であると、堀内は指摘しました。
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バングラデシュの少女たちの実例 (特活)シャプラニール=市民による海外協力の会 菅原伸忠氏
今年のキャンペーンに賛同いただき、レッドカードアクションにフラッシュ・モブというパフォーマンスで協力くださった(特活)シャプラニール=市民による海外協力の会より、菅原氏をお招きしました。シャプラニールでは2006年から、バングラデシュで家事労働として働かされている子どもを救う活動を行っています。今回はそのバングラデシュで家事使用人として従事している少女たちの実態や具体的活動について報告いただきました。

バングラデシュでは、子どもの就学率は男女ともに90%を超え非常に高いです。しかし学校での学年が上がる度に試験を受けなくてはならず、落第し卒業できずに学校を辞めてしまうケースが約半数にも上ります。家事使用人として働く少女に就学年齢の子どもが多い背景には、そのような現状が一因としてあります。また子どもが使用人として働くことを当たり前に容認する文化が根付いているため、児童労働として問題視されにくいという現状があります。
勉強したい、外に出たい、新しい食べ物を食べたいという子どもの願いに対し、食事を食べさせてもらえる、家事が覚えられる、教育の機会を与えられるという親の考えとの矛盾が生じています。子どもは黙って言う事を聞く上、給料が安く、人助けとして子どもを雇っているという考えを持っている雇い主もいます。また、大人の家事使用人に対する不信感から、子どもを雇っている家庭もあります。
シャプラニールの取り組みを通し、現在では家事使用人として働かされている子どもの数が減りつつあるものの、完全になくなったわけではありません。少女たちが子どもの時間を取り戻すために、周りにいる人々が働きかけることが大切で、子どもたちの将来を考えた支援を心がけていると、菅原氏は話されました。
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参加者の声
・短い時間の中、学べることが多くあった。(学生、女性)
・世界全体での家事労働と1つの国における現状についてお話があり、良かった。
(学生、女性)


家事労働を児童労働の一環であることを、私たちは認識しなければならないと思いました。バングラデシュの少女たちを含め、家事労働を強いられている子どもたちのために何が必要なのか、考えさせられました。

(報告:CL-Net事務局(ACEインターン) 前原奈穂美)