Q.児童労働者は世界に何人いるの?(児童労働の人数)
国際労働機関(ILO)は4年に一度、世界の児童労働者数の推計を発表しています。2025年6月に発表されたILOとUNICEFの共同報告書「児童労働:2024年の世界推計、傾向と今後の課題(原題:Child Labour: Global estimates 2024, trends and the road forward)」 によると、全世界の児童労働者(5歳-17歳)は1億3800万人(男の子7800万人、女の子5900万人)と推計されています。(2020年の推計から約2300万人の減少)
これは世界の子ども人口(5~17歳)のおよそ13人に1人が児童労働をしていることになります。
そのうち子ども兵士や人身売買を含む危険・有害労働に従事する子どもは7900万人にのぼり、このペースでは、SDGsの目標に掲げられている 2025年までの全廃はおろか、その時点でもなお、 1億4000万人近くの子どもが児童労働をしていると推測されています。
子ども(5歳-17歳)の人口に対し、労働人口が占める割合と推移(単位:1000人)
就労している子ども | 児童労働 | 危険・有害労働 | |
---|---|---|---|
2000年 | 351,900(23.0%) | 245,500(16.0%) | 170,500(11.1%) |
2004年 | 322,729(20.6%) | 222,294(14.2%) | 128,381 (8.2%) |
2008年 | 305,669(19.3%) | 215,209(13.6%) | 115,314 (7.3%) |
2012年 | 264,427(16.7%) | 167,956(10.6%) | 85,344 (5.4%) |
2016年 | 218,019(13.8%) | 151,622(9.6%) | 72,525 (4.6%) |
2020年 | 222,088(13.2%) | 160,000(9.6%) | 79,000 (4.7%) | ※ | 137,600(7.8%) | 54,000(3.1%) |
()内は、世界の5-17歳の子ども人口に対して占める割合 |
出典: ILO (2017年), ILO・UNICEF (2021年)をもとに作成
※2024年のデータはILO・UNICEF推計(2025年)に記載なし
児童労働の推移(5-17歳)
出典: ILO・UNICEF (2025年)をもとに作成
Q.児童労働はどの地域に多いの?-児童労働の地域分布
世界の児童労働者の半分以上が、サハラ以南アフリカ(サハラ砂漠より南のアフリカ地域)に存在し、およそ5人に1人の子どもが児童労働に従事しています。2012年までは児童労働者数が最も多いのはアジア・太平洋地域でしたが、2016年からサハラ以南アフリカが最も多い地域となり、2024年は約8700万人、児童労働者全体の3分の2近くをしめています。8700万人は、世界の他の地域の子どもの総数よりも多い人数です。
地域別の児童労働者数と児童労働者の割合(5-17歳)
出典: ILO・UNICEF (2025年)をもとに作成
Q.どの産業で一番多く働いているの?-児童労働の産業別人数
農林水産業において児童労働に従事している子どもは8390万人で全体の6割を占め、続いてサービス業が3割、工業が1割となっています。
産業別の児童労働者数(5-17歳)
出典: ILO・UNICEF (2025年)をもとに作成/p>
日本を含む高所得国にも児童労働が存在
児童労働者は低所得国と低・中所得国に多く集中しますが、日本を含む高所得国にも96万6000人(0.7%)の児童労働者が存在します。
持続可能な開発目標達成年の2030年までに児童労働ゼロにするには?
2000年以降、児童労働者数は世界で約2億4600万人から1億3800万人へと減少し、約半分になりました。しかし、現在のペースでは、国際社会が掲げる「2025年までに児童労働を撤廃する」という目標の達成は極めて困難です。この目標を達成するためには、今後5年間で現在の11倍のスピードで取り組みを進める必要があると報告されており、社会全体で取り組みを一層強化することが求められています。
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