いま、世界の子どもの10人に1人が「児童労働者」
子どもらしい成長を妨げる「児童労働」
児童労働とは、義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険で有害な労働のことです。具体的な例に、劣悪な環境での長時間労働、借金の肩代わりとしての強制労働、人身売買による性産業、戦争にかりだされる子ども兵士などがあり、子どもらしい成長を妨げます。2021年現在、世界では1億6000万人が児童労働に従事し、世界の子どもの10人に1人が働いている計算になります。児童労働が起こる背景には、貧困、教育機会の欠如、子どもを働かせる社会・文化的な習慣など複雑な要因がからみ合っています。
日本の私たちも児童労働とは無縁ではない
日本に住んでいると、児童労働はどこか遠い国の問題だと考えがちですが、チョコレートの原料のカカオや、Tシャツの原料のコットン(綿)をはじめ、コーヒーや紅茶、あるいは携帯電話の部品などに使われるレアメタルなど、わたしたちは知らないうちに、児童労働で作られたものを使っているかもしれません。中には、人身取引やポルノ、JKビジネスなど、直接日本で犠牲となる子どもたちも存在します。経済のグローバル化が進む今、私たちはどこに住んでいても児童労働とは無縁ではないのです。子どもたちの未来を守る社会の仕組みを作っていくことは、私たちの責任です。