「ストップ!児童労働 50万人署名」 外務省提出のご報告
2016.03.14お知らせ
濵地政務官(左から3番目)とCL-Net代表団
1月28日(木)、外務省の濵地外務大臣政務官に、児童労働ネットワーク(CL-Net)が「ストップ!児童労働 キャンペーン2015」で集めた「ストップ!児童労働50万人署名」を提出しました。
CL-Net代表・堀内からは過去最高の51万3935筆の署名が集まったことと、「ストップ!児童労働50万人署名」の要請内容に加え、署名後の国際政策の進展に伴い、追加要請をさせていただきました。これらは、国連総会における「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択と、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の合意です。SDGs中のターゲット8.7[児童労働の撤廃]について、2025年までの全廃目標に向けて、日本の政府開発援助(ODA)の強化だけでなく、国内での児童労働についても取り組んでほしいこと、また、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の実施において、児童労働撤廃を十分に考慮した政府の積極的な対応を求めました。さらに、2017年開催予定の児童労働世界会議の準備のためにも、マルチセクターの関係者が集う政府主催の意見交換会の開催を要請しました。
児童労働の現状と世界の動きについてCL-Net事務局長・岩附が説明し、SDGsの目標達成について、日本もODAを通じて積極的に取り組むことの重要性や、貿易政策におけるサプライチェーンを含めた児童労働に対する社会的責任の啓発を通じて企業活動を見直すことを検討してもらうよう訴えました。
これに対し、濵地政務官は「生まれた環境で子どもが児童労働をさせられることはあってはならないことであり、私たち日本人は日常生活でそれを利用している可能性がある」という認識を示し、またTPPにも触れ、「児童労働による商品の貿易の自粛を促す条文が含まれており、これは世論に訴えかける中でも重要な根拠になる。国内ならず様々な国に児童労働撤廃を積極的に働きかけていきたい」と述べました。
訪問には、CL-Net会員団体のフリー・ザ・チルドレン・ジャパンから2名の高校生も同行し、スタディツアーでの児童労働の現場を視察した経験や考えを述べ、子どもが児童労働によって学校に通えないことは社会の大きな損失であることを伝え、政府が中心となって社会全体が児童労働問題に取り組んでもらいたいと訴えました。
これに対し濵地政務官は、将来を担う子どもにとっての学校や教育の重要性にも理解を示し、「国際機関だけで児童労働の撤廃を呼びかけるには限りがあるので、日本がODAなどで行っている技術協力支援などを通じ、日本国内にも発信していきたい」と述べました。